寝床の中

歯ぁ食いしばって寝る

ごはんができたよ / 矢野顕子

ひとつだけが名曲なのはこの曲の辿ってきた遍歴が裏付けている。そしてアウトロで名残惜しそうに去ってくピアノと入れ替わりに飛来するぼんぼんぼん!これだけで多幸感あります。

ずっと頭の真ん中で鳴る音というか、BGMにならない主役の音楽です。

その音作りに貢献してるのが当時ノリにノっていたYMO

在広東少年はYMOの海外ツアーでも人気がある曲だったそうで、それも納得、クラブでも是非聴きたい腰にくるブレイクが最高!

清志郎の「山のふもとで犬と暮らしている」と同じ感性の曲が何曲かあるのも気になる。

Electricity by Candlelight / アレックスチルトン

アレックスチルトンの死後発表された蔵出しライブ音源。全曲カバーながら選曲がニクい。みんなが知ってるのはもちろんのこと、コーラスやら合いの手やらで参加しやすい曲が選ばれている。

イパネマの娘での「あ〜」や、素敵じゃないかでの高音の出なさ、歌詞を客に教えてもらってるのも実は全て計算尽くの演出では!?と勘ぐってしまう。それほどこのライブ盤は時間が経つにつれ、観客がアレックスチルトンの人柄にほだされていく過程を克明に捉えている。

ボックストップス時代のダミ声でもビッグスター時代のヒリヒリした声でもないリラックスしたボーカルが全編で聴けます。

個人的にはMotel Bluesで一瞬見せるギラつきがハイライト。

Unfinished Business / ロニースペクター

ロニースペクターのソロ2作目、87年発表。

大仰なシンセにリバーブかかりまくりのドラムと、ブライアンウィルソンのソロに近い音。フィルスペクターの影響下にあるアーティストは80sサウンドと相性いいと思いません?

この時代のアメリカの馬鹿馬鹿しさをがっちり出しつつ、60年代的ポップスセンスも随所に混ぜ込んでくれてる。齢44にして唯一無二のあの声で新曲(どれも傑作!)を歌い上げる彼女を見た60年代からのファンはどんな気持ちやったでしょうか。こんなにファンでいて良かった!と思わせてくれる歌手いますか!?

Eストリートバンド?なサックス、ホーンの代用として鳴るギターのコードバッキング、深いリバーブのかかったドラムはロネッツでしてきたアレンジの方法論を80s解釈したもの。ロネッツが与えた後進への影響をキチンと踏まえて「こういうことだよ」と提示してみせる仕掛けにも注目すべき。いったいこの最高のアルバムは誰の手によって世に送り出されたのでしょうか。アレンジャー、プロデューサーに詳しい人、ぜひ教えてください。

Blast of Silence / ゴールデンパロミノス

アヴァンギャルド系のドラマー、アントンフィアが中心のメンバーが流動的に変わるバンド。というのが必ず注釈に入ってくるバンドです。

1作目はジョンゾーン、ジョニーロットン、ジャックブルースなんかが参加してたそうですが未聴です。

本作はその辺の肩書きから想像してたのと違う、ビシバシとリズムの立ったアントンフィアのドラムが核になってる歌モノアルバムです。

特にシドストローがボーカルをとったAngelsとDiamondが素晴らしい。ホーンこそないもののもろスタックス風な楽曲で竹を割ったようなドラムが映えること。

人脈や制作の経緯など置いといてポップスの名盤として楽しめます。

うたかたのオペラ / 加藤和彦

ヒーローズから3年、同じバイザウォールスタジオでレコーディングされた。非ロックだろうとなんでもござれなYMO矢野顕子たちをねじ伏せてる加藤和彦安井かずみがすごい。

フォークルやミカバンドが好きでも洒落っ気が気に食わなかった加藤和彦、一度聴けば惚れ惚れする才気でした。ニューウェーブ渋谷系を繋ぐ影の功労者です。

ベルリンに着眼したのは世界的に2番3番煎じですがこの時点できちんと80年まで音楽を進化させてるのは偉い。

ええ意味での嘘臭さが後の歌謡曲黄金時代に与えた影響はかなりデカい、はず。

Brian Wilson / ブライアンウィルソン

88年がどういう時代かあまり知りませんがディスコでない楽曲でこのシンセサウンド、無茶苦茶好物です。

ブライアンのボーカルは本調子とは言えないものの、Walkin' the LineやLittle Childrenといったロックよりの曲で聴かせるキレた歌唱は凄みがある。普段大人しい子が一度たがが外れると手がつけられないような。

内省的な曲は文句なしに極上。達郎は相当影響受けてるでしょう。Love and Mercy、Melt Away、Let It Shine、Meet Me in My Dreams Tonightは純粋が故の危うさが際立っていて、ビーチボーイズの狂気担当はやはりブライアンなんだなと納得です。

50s60sの音の壁がかったるく感じたらこちらのネオバージョンをお試しください。

 

Beyond the Missouri Sky /チャーリーヘイデンとパットメセニー

大大大傑作でしょう。会う人会う人に薦めて僕も毎晩聴いてます。

ジャズバーのマスターに聴かせてもらい購入しました。フリージャズが好きだと言うとオーネットコールマンをかけてくれて、同時に演奏してるカルテットのメンバーについて詳しく解説してくれた。その片方のカルテットでベースを弾いてたのがチャーリーヘイデン。パットメセニーは完全に聴かず嫌いでした。

架空のロードムービーのサントラのようなアルバムで、寝る前に聴くと頭の中に映像が次々浮かんできて楽しい。こういう比較をすると怒る人がいるかも知れませんがライクーダーや久石譲ぐらい映像性が高いです。

アメリカの何もない田舎に魅力を感じる人はこれを聴いて妄想を膨らませてください。