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寝床の中

歯ぁ食いしばって寝る

Unfinished Business / ロニースペクター

ロニースペクターのソロ2作目、87年発表。

大仰なシンセにリバーブかかりまくりのドラムと、ブライアンウィルソンのソロに近い音。フィルスペクターの影響下にあるアーティストは80sサウンドと相性いいと思いません?

この時代のアメリカの馬鹿馬鹿しさをがっちり出しつつ、60年代的ポップスセンスも随所に混ぜ込んでくれてる。齢44にして唯一無二のあの声で新曲(どれも傑作!)を歌い上げる彼女を見た60年代からのファンはどんな気持ちやったでしょうか。こんなにファンでいて良かった!と思わせてくれる歌手いますか!?

Eストリートバンド?なサックス、ホーンの代用として鳴るギターのコードバッキング、深いリバーブのかかったドラムはロネッツでしてきたアレンジの方法論を80s解釈したもの。ロネッツが与えた後進への影響をキチンと踏まえて「こういうことだよ」と提示してみせる仕掛けにも注目すべき。いったいこの最高のアルバムは誰の手によって世に送り出されたのでしょうか。アレンジャー、プロデューサーに詳しい人、ぜひ教えてください。

Blast of Silence / ゴールデンパロミノス

アヴァンギャルド系のドラマー、アントンフィアが中心のメンバーが流動的に変わるバンド。というのが必ず注釈に入ってくるバンドです。

1作目はジョンゾーン、ジョニーロットン、ジャックブルースなんかが参加してたそうですが未聴です。

本作はその辺の肩書きから想像してたのと違う、ビシバシとリズムの立ったアントンフィアのドラムが核になってる歌モノアルバムです。

特にシドストローがボーカルをとったAngelsとDiamondが素晴らしい。ホーンこそないもののもろスタックス風な楽曲で竹を割ったようなドラムが映えること。

人脈や制作の経緯など置いといてポップスの名盤として楽しめます。

うたかたのオペラ / 加藤和彦

ヒーローズから3年、同じバイザウォールスタジオでレコーディングされた。非ロックだろうとなんでもござれなYMO矢野顕子たちをねじ伏せてる加藤和彦安井かずみがすごい。

フォークルやミカバンドが好きでも洒落っ気が気に食わなかった加藤和彦、一度聴けば惚れ惚れする才気でした。ニューウェーブ渋谷系を繋ぐ影の功労者です。

ベルリンに着眼したのは世界的に2番3番煎じですがこの時点できちんと80年まで音楽を進化させてるのは偉い。

ええ意味での嘘臭さが後の歌謡曲黄金時代に与えた影響はかなりデカい、はず。

Brian Wilson / ブライアンウィルソン

88年がどういう時代かあまり知りませんがディスコでない楽曲でこのシンセサウンド、無茶苦茶好物です。

ブライアンのボーカルは本調子とは言えないものの、Walkin' the LineやLittle Childrenといったロックよりの曲で聴かせるキレた歌唱は凄みがある。普段大人しい子が一度たがが外れると手がつけられないような。

内省的な曲は文句なしに極上。達郎は相当影響受けてるでしょう。Love and Mercy、Melt Away、Let It Shine、Meet Me in My Dreams Tonightは純粋が故の危うさが際立っていて、ビーチボーイズの狂気担当はやはりブライアンなんだなと納得です。

50s60sの音の壁がかったるく感じたらこちらのネオバージョンをお試しください。

 

Beyond the Missouri Sky /チャーリーヘイデンとパットメセニー

大大大傑作でしょう。会う人会う人に薦めて僕も毎晩聴いてます。

ジャズバーのマスターに聴かせてもらい購入しました。フリージャズが好きだと言うとオーネットコールマンをかけてくれて、同時に演奏してるカルテットのメンバーについて詳しく解説してくれた。その片方のカルテットでベースを弾いてたのがチャーリーヘイデン。パットメセニーは完全に聴かず嫌いでした。

架空のロードムービーのサントラのようなアルバムで、寝る前に聴くと頭の中に映像が次々浮かんできて楽しい。こういう比較をすると怒る人がいるかも知れませんがライクーダーや久石譲ぐらい映像性が高いです。

アメリカの何もない田舎に魅力を感じる人はこれを聴いて妄想を膨らませてください。

 

 

Soul & Salvation / ディジーガレスピー

69年発表。1曲目からミーターズのよう。ミーターズのデビュー作が69年5月、対してガレスピーの本作が9月と、僕は偶然とは思わない。

ビパップ創始者の1人ガレスピーはこの時既に52歳と半ば生きる伝説であったろうに、曲によってはギターやコーラスに主役を譲りバンドの一員として収まっている。

タイトルの通りソウル色の強い内容で、ファンキーなリズムの曲もジャズファンクと呼べるノリでなく、スタックス/ボルトの諸作に近い質感である。

ハービーマンのUnderground のようにジャズファンよりソウル好きのハートをがっちり掴む好盤。

Trans Europe Express / クラフトワーク

ヒーローズとイディオットと同じ77年発表。

興奮のない無機質な『テクノ』にも、クラブでかかる『テクノ』にもまったくハマらなかったけど、本作は格別。世界一踊れるテクノ。

車輪の音なんか無機質なはずなんだけどファンクの延長とも取れるリズムに腰が動く動く。ファンクはJBのような爆発タイプ以外にもスライのように重苦しく演奏するミュージシャンがいて、必ずしも熱い音楽というわけではない。グルーヴしないリズムで腰を動かす気持ちよさありますよ。

ミニマルなリズムを延々と繰り返すだけの駄テクノと違って歌心があるのも重要。歌があってもなくても大事なのは歌心。