Brian Wilson / ブライアンウィルソン
88年がどういう時代かあまり知りませんがディスコでない楽曲でこのシンセサウンド、無茶苦茶好物です。
ブライアンのボーカルは本調子とは言えないものの、Walkin' the LineやLittle Childrenといったロックよりの曲で聴かせるキレた歌唱は凄みがある。普段大人しい子が一度たがが外れると手がつけられないような。
内省的な曲は文句なしに極上。達郎は相当影響受けてるでしょう。Love and Mercy、Melt Away、Let It Shine、Meet Me in My Dreams Tonightは純粋が故の危うさが際立っていて、ビーチボーイズの狂気担当はやはりブライアンなんだなと納得です。
50s60sの音の壁がかったるく感じたらこちらのネオバージョンをお試しください。
Beyond the Missouri Sky /チャーリーヘイデンとパットメセニー
大大大傑作でしょう。会う人会う人に薦めて僕も毎晩聴いてます。
ジャズバーのマスターに聴かせてもらい購入しました。フリージャズが好きだと言うとオーネットコールマンをかけてくれて、同時に演奏してるカルテットのメンバーについて詳しく解説してくれた。その片方のカルテットでベースを弾いてたのがチャーリーヘイデン。パットメセニーは完全に聴かず嫌いでした。
架空のロードムービーのサントラのようなアルバムで、寝る前に聴くと頭の中に映像が次々浮かんできて楽しい。こういう比較をすると怒る人がいるかも知れませんがライクーダーや久石譲ぐらい映像性が高いです。
アメリカの何もない田舎に魅力を感じる人はこれを聴いて妄想を膨らませてください。
Trans Europe Express / クラフトワーク
ヒーローズとイディオットと同じ77年発表。
興奮のない無機質な『テクノ』にも、クラブでかかる『テクノ』にもまったくハマらなかったけど、本作は格別。世界一踊れるテクノ。
車輪の音なんか無機質なはずなんだけどファンクの延長とも取れるリズムに腰が動く動く。ファンクはJBのような爆発タイプ以外にもスライのように重苦しく演奏するミュージシャンがいて、必ずしも熱い音楽というわけではない。グルーヴしないリズムで腰を動かす気持ちよさありますよ。
ミニマルなリズムを延々と繰り返すだけの駄テクノと違って歌心があるのも重要。歌があってもなくても大事なのは歌心。
The Idiot / イギーポップ
初めて聴いた。China Girlはもちろん、Dum Dum Boysが出色の出来。
パントマイム?なジャケ写はヒーローズに類似しているし、歌い方もモコモコとした音像もボウイの影響が色濃い。この辺りどちらが先にアルバムを出したかはあまり関係なさそう。
元々単純なリフを反復する曲が多かったストゥージズの発展系がDum Dum BoysやMidnight Sisterといった曲で、こういうミニマルな曲もクラウトロックを通ってるかどうかの違いで曲の重みが変わってくる。その実イギー本人はあまりその先進性を意識してなかったのでは。
グラムとパンクの橋渡しをしたボウイは77年の時点ですでにクラウトロックとニューウェーブ勢を繋げていたんですね。本作によりヒーローズとジョイディヴィジョンの曲が腑に落ちたというか、繋がりが見えた。
それとイギーポップは作詞家としてもなかなかのもんで、ロマンチック路線のChina Girlにぐるぐる循環するようなDum Dum Boysのノリを取り入れたのが次作のThe Passengerとなる。
Paradise and Lunch / ライクーダー
アメリカ旅行をしたとき何軒かレコード屋を回って、シカゴの店でライクーダーを買った。2ドルだった。
手書きのイラストにガンマンを思わせる帽子、黄色からメキシコを連想したとこもあり購入した。
黄色いジャケットが好きで良いアルバムが多いと思っている。たまたまかも知れない。Jガイルズバンド、マッドラッズ、コステロ、続・夕陽のガンマン。
ジャケットは上部が破れて、盤は針飛びするがなんだかそれも洒落てる気がする。ピカピカのライクーダーの音楽なんてあるのだろうか。